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インドネシアM&A外資規制現地パートナー

インドネシアの外資規制の考え方 — DNI・ポジティブリストの調べ方

インドネシアの外資規制はDNI・ポジティブリストという枠組みで整理されます。自社の事業がどう扱われるかの調べ方と、判断への織り込み方を解説します。

読了目安 5分

インドネシアへの外国資本の参入可否・条件は、DNI(ネガティブリスト)やポジティブ投資リストと呼ばれる枠組みを通じて業種ごとに整理されています。この枠組みのもとで、外資の出資が制限される業種、条件付きで認められる業種、自由に認められる業種が区分されます。ただし規制の内容は改正され得るため、検討の初期段階では枠組みの考え方を理解しつつ、実際の行動に移す前には必ず有資格の現地アドバイザー・専門家に最新の要件を確認することが不可欠です。本記事では、この枠組みをどう調べ、どう判断に織り込むかを整理します。

DNI・ポジティブリストとは何か

インドネシアでは、外国資本がどの業種にどのような条件で参入できるかを、政府が定める投資分野のリストを通じて整理する制度が運用されてきました。かつては「ネガティブリスト(DNI)」という形式で、外資が制限・禁止される業種を列挙する方式が取られていた時期があり、その後「ポジティブ投資リスト」という形式に移行した経緯もあります。

どちらの形式であっても、目的は共通しています。国内産業の保護や公共の利益の観点から、外資の参入を制限したい業種を特定し、それ以外の業種については原則として投資を歓迎する、という考え方です。

重要なのは、この枠組み自体は継続的に見直され、対象業種や条件が改正され得るという点です。数年前に公開されていた情報がそのまま現在も有効とは限りません。検討時点の最新版を確認する作業が、必ず必要になります。

自社の事業がどの区分に当たるかをどう調べるか

自社(または買収対象企業)の事業がどの区分に該当するかを調べる際は、次のような手順で進めるのが一般的です。

  • 事業内容をインドネシアの事業分類コード(KBLI)に当てはめる — インドネシアの投資・許認可制度は、事業内容を細かなコードで分類する仕組みを前提にしています。自社の事業を一つのコードだけで説明できるとは限らず、複数のコードにまたがる場合もあります。
  • 該当コードが現時点でどう扱われているかを確認する — 同じ事業内容に見えても、コードの粒度によって扱いが異なることがあります。分類の当てはめ自体に専門的な判断が必要です。
  • 条件付きで認められる業種かどうかを確認する — 完全に自由な業種、出資比率などの条件付きで認められる業種、原則として外資に閉ざされている業種など、扱いは業種によって異なります。
  • 関連する許認可制度もあわせて確認する — 投資分野の区分とは別に、業種ごとの許認可(ライセンス)要件が課されている場合があります。投資の可否だけでなく、事業運営に必要な許認可の取得可能性もあわせて確認する必要があります。

これらの確認作業は、公開情報の読み込みだけで完結するものではありません。分類の解釈や運用の実態については、現地当局とのやり取りに慣れた専門家の知見が欠かせません。

外資規制をどう判断に織り込むか

外資規制の枠組みを理解することは、M&Aやインドネシア進出の検討において、単なる法務確認にとどまらない意味を持ちます。

第一に、ストラクチャーの設計に直結します。対象業種が外資に対して条件を付けている場合、100%出資での買収が可能なのか、現地パートナーとの合弁(JV)を前提とする必要があるのか、という根本的な選択肢に影響します。この判断は、検討の初期段階でおおよその方向性を持っておくべき論点です。

第二に、対象企業選定にも影響します。買収候補企業が複数の事業を営んでいる場合、その一部が規制対象業種に該当することで、想定していたストラクチャーが成立しないことが判明する場合があります。候補企業の絞り込みと並行して規制上の扱いを確認しておくことで、後工程での手戻りを避けやすくなります。

第三に、将来の事業拡張にも関わります。買収時点では問題のない事業区分であっても、将来的に隣接事業へ展開する際に、別の区分の規制に触れる可能性があります。中長期の事業計画を見据えて確認しておくことが望ましいといえます。

いずれの論点についても、この段階で具体的な出資比率や規制の細目を前提に計画を固めてしまうことは避けるべきです。枠組みの考え方を理解した上で、具体的な数値・要件は現地専門家への確認を経て確定させる、という順序を守ることが実務上重要です。

現地確認がなぜ欠かせないのか

外資規制に関する情報は、インターネット上でも一定程度得ることができます。しかし、次のような理由から、公開情報だけに依拠して判断を確定させることにはリスクがあります。

まず、規制は改正され得るという点です。検討時点で参照した情報が、実際に取引を進める段階では既に更新されている可能性があります。

次に、事業分類の当てはめには解釈の余地があるという点です。同じ事業内容であっても、記述の仕方や関連当局の運用によって扱いが変わることがあり、この当てはめを誤ると、後の許認可取得や出資比率設計に影響します。

さらに、投資分野の区分と、業種別の許認可制度、土地・労務等の関連規制は、それぞれ別の制度として存在しており、相互の整合性を確認する必要があります。これらを個別に、かつ最新の状態で確認する作業は、現地の法務・会計専門家との連携なしには実務上難しいのが実情です。

TNK&COはインドネシアに現地拠点・駐在スタッフを置き、法務・会計等の現地パートナーネットワークを通じて、こうした規制確認を含む検討初期段階の支援を行っています。

次のステップへ

外資規制の枠組みを理解することは、インドネシア投資・M&Aの検討における最初期の重要な一歩です。ただし、本記事で述べた内容はあくまで枠組みの考え方であり、具体的な出資比率や許認可要件は、検討時点で有資格の現地専門家に確認する必要があります。

候補企業の探索や規制確認と並行して、対象企業のデューデリジェンスや評価にも早い段階から目を配ることで、検討全体をスムーズに進めることができます。買収候補企業の探し方についてはこちらの記事、インドネシアM&Aの全体像についてはこちらの記事もあわせてご参照ください。

インドネシアでの投資・M&Aをご検討の企業・投資家の方は、規制確認を含む初期検討の段階からぜひご相談ください。お問い合わせ

よくある質問

DNIとポジティブリストは同じものですか。
いずれもインドネシアにおける外資参入の可否・条件を業種ごとに整理する枠組みという点では共通していますが、制度としては異なる時期に異なる形式で導入されたものです。現時点でどちらの枠組み・どの版が適用されるかは改正され得るため、検討時点での有資格の現地専門家への確認が必要です。
外資規制で持株比率の上限は決まっているのですか。
業種によっては外資の出資比率に制約が設けられる場合がありますが、具体的な数値や対象業種は改正によって変わり得るため、本記事では断定しません。自社の事業分類が現時点でどう扱われているかは、現地の弁護士等を通じて個別に確認する必要があります。
自社の事業がどの分類に当たるかは自分たちだけで調べられますか。
事業分類コード(KBLI)の特定やその時点での規制内容の確認には専門知識が必要です。分類の当てはめを誤ると、後のライセンス取得や出資比率の設計に影響するため、早い段階から現地の法務専門家と一緒に確認することをおすすめします。
外資規制の確認はM&Aプロセスのどの段階で行うべきですか。
候補企業の選定や初期評価と並行して、できるだけ早い段階で確認を始めるべきです。ストラクチャー(100%出資かJVか等)の設計は規制上の扱いに左右されるため、後工程に進んでから規制上の制約が判明すると、手戻りが大きくなります。

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インドネシアの現地拠点・駐在スタッフと、法務・会計等の現地パートナーネットワークを通じて、投資・M&Aに関するご相談に対応しています。

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